今回関東学生部では、松本ときひろ品川区議会議員をお呼びして、表現の自由に関する講演会の第二弾を開催しました。この座談会には学生部の内外から約25名ほどが参加し、表現の自由について活発な議論が飛び交いました。今回はその様子を文章でお届けしたいと思います!
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「表現の自由」が大切な理由
日本国憲法では、21条にこう記されています。
「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。」
これによって、法律や運用で表現の自由を制限されても、対抗することができるのです。では、なぜ表現の自由が重要なのでしょうか。
まず、「言論には言論で戦っていく」というのが今の民主主義社会では重要になってきます。しかし、この言論が一度制限されてしまうと、そこには不可逆性が生じてしまいます。つまり、ある言論が禁止されてしまうと、それがこの世からなかったことにされてしまい、それを取り戻すことが困難になるということです。
また、権力者からすれば自分たちに都合の悪い言論は規制したいものです。そこで、表現規制は恣意的に運用され、萎縮する可能性があります。
そして、表現が規制されてしまうと、誰もがその規制に引っ掛かりかねない表現を避けるようになり、表現が萎縮してしまいます。
最後に、表現の規制を重ねていくと、やがて規制への不満が爆発してしまいます。そういったことを避けるために、表現の自由を保障して不満を解消することが重要なのです。
国旗損壊罪について
現在物議を醸している「国旗損壊罪」についても講演の中で触れられました。松本区議は国旗損壊罪に反対の立場。なぜ国旗損壊罪がいけないのかをわかりやすく話していただきました。
まず、規制をするならば必要性がないといけません。しかし、日本では国旗が損壊されたという事例はほとんどありません。おまけに国旗損壊罪は一度議論の俎上に上がりましたが、その後8年間放置されてきました。このような状況で、果たして本当に国旗損壊罪を制定する必要があるのでしょうか?
また、刑事罰を設けているという点も問題です。刑事罰は最後の手段であって、そう軽々しく課すべきものではないというのが松本区議の見解です。また、賛成派の中には外国国章損壊罪を理由に国旗損壊罪の必要性を訴えていましたが、外国国章損壊罪には、国章損壊により外交上のリスクが生じる可能性があり、それを防ぐためという保護法益があります。一方で日本の国旗の損壊にはそのようなリスクはありません。よって、外国国章損壊罪と同列に並べるのも適切ではないと言えるでしょう。
まとめ
このほかにも表現の自由に関する様々な事例を取り上げ、講演していただきました。終了後には学生からの質問にも答えていただき、大変有意義なイベントになったと思います。